小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

忖度

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妙な言葉が流行った。

が、実に気持ち悪い。

コメンテイターや芸人も面白がって使っていたし、そんなお笑い番組も好きなんだが、それでもこの言葉は気持ち悪く感じる。

 

前の学園問題は、本来は気持ち悪いはずのこの言葉をオブラートのように使用した。

あたかも、これが大人の事情、なのだよ、と言わんばかりに。

それでくるめて見事に葬られた。

 

そして新たな学園問題。

「忖度?じゃないだろ?好き好んで賛同してんじゃない。居場所がなくなるから賛同したフリして我慢してんだろ」ってなのが出てきた。

 

似ている。

圧倒的な裁量権と大人の絶対優位な理屈と衝動的な暴力で支配出来ていたかつての中学校と。

「もう我慢ならねー」って出てきたのが校内暴力だ。

 

校内暴力を肯定するつもりはない。

が、知恵もない、力もない、権力もない、そんな弱者が一方的な強制から逃れるには、どうしたらいいんだ?という叫びにも似た反応だった。

 

これらは、肉親を悪く言えないDV被害者の声の抹殺にも近い。

「俺の親はこんな親なんだー」と訴えたところで、普通は「親不孝な子だね~」と自分が悪者にされてしまうのがオチ。

だから他人にゃ話せるわけもない。

さらには、DVったって、殴る蹴るだけじゃない。

将来を不安にさせる言葉、親としての立場を放棄するような言葉や態度、言葉の上とはいうものの身分を抹殺するかのような脅し...

自立できるような年齢になりゃまだいい。

金も稼げない年齢で、「いつでもお前の生存権なんて抹殺できるんだからな」と脅されて育ってきた子供は、それを誰に相談できる?

いや、具体的な言葉での相談すら出来ないだろう。

なんせ、そこまで社会的にも育っていなかったりする。

ただ...なんとなく、「だから俺の言うこと聞け、俺の言うとおりにしろ、俺の言うとおりにしないと....将来はないんだぜ」

という”脅し”を背負わされて生きていくことになる。

だから家が面白くない。

親の顔を見るだけで気が重くなる。気持ち悪くさえなる。

それが親にとっては余計に面白くない。

「なんだその目は」となる.....

 

耐えきれなくて....

母親に吐露しても...母親も父親には逆らえなかったりする。

いや、逆にチクられてさらに父親から不遇を受ける。

先生を始めとした他人に相談したところで....「いいお父さんなのに、お前が反抗的なんじゃないのか?」なんて言われてしまう始末だったり....

 

いい歳こいて清廉潔白、正々堂々...とはいかないぐらいはわかる。

が、忖度って...ものの見事にDV親父が「私がそんなこと強要した覚えはないんですけどね~」と平然と答えるのと、同じ臭いが俺にはする。

だから俺は異常に気持ち悪くなる。

 


そして何故だ、洋楽好きの自分でさえ、中島みゆきのファイトが聞きたくなる。

ってか吉田拓郎の歌っている方のが。