小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

減らす人生

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人生における”三度の大きな転換期”の一度目に、絵を描いていた時期があった。

が、その時に描いた絵は10年ほど前に全部捨てた。

気持ち悪い絵だったからだ。

全然上手くない。

何もかもおかしい。

ここまで下手じゃない....はずなのに....

 


動機が不純というよりも...描きたい気持ちが無いままに描いている絵なのでおかしいのだ。

病んでいる....とまでは言わないが....気持ちの入っていない小説の文章のようなもんだと言えばおわかりになるか....

形はある、色もある、額にも入っている....サマはいっぱしなんだけど....

”変な”としか感じない絵だった。

 


似たようなことがあった。

とても魅力的な文章を書くブログを知って、自分も始めた頃....

けっこう気取って書き始めた...

が、やっぱり気持ち悪い文章なのだ。

書きたいことを書いているのではなく、自分も上手いと褒められたくて書いていたんだろう....

文字が並んでいるだけの....

”変な”文章を残しただけだったので....気が付いた時に...全部削除した。

 


そういった経験から、このような状態にある時には、それまで努力していなかった突拍子もないことに頼るのはやめている。

 


動揺と後悔から二週間。

事が事だけに簡単に切り替えられることも期待していない。

が、原因の追究は反省のためにも必要だと思っているが、原因の後悔は深堀しなくなってきている。

もうそんなことに時間を使ったところでこれから先に役に立つこともないだろうに。

 


確定したことは

下山の人生に入ったということであり

ダウンサイジングの必要性が出てきたということ。

いわゆる下降路線であり、縮小路線ということ。

それはもう否定しないし、否定できないとの覚悟も芽生えてきた。

 


漢字で書くと寂しいことだが、じゃあ歳を重ねるごとにイチローは活躍を拡大できたか?

....そういうことだと思う。

イチローでさえそうなのだから....

自分程度にしては、よく持った方なのかもしれない。

 


さらにわかってきたことは....

見えてきた路線変更とて....

急に出来るものではないということ。

うまくやれる確証もないということ。

まさに下山であって、ナメていたらば足を滑らせて滑落するということ。

でも....下山をしないとしたらば....

下山を躊躇するならば...

頂上で凍死するということ。

ん?

尾崎豊坂井泉水は頂上での凍死を選んだのだろうか?

そのような生き方を否定する権利は自分には無いが....

自然であればそれも運命であるものの、自らの作為的行為なら....

やっぱり選択すべき道ではないのだろう。

 


誰しも縮小したくないし、下り坂の人生にはしたくない。

であれば当然に消極的にもなる。

今現在....少々の覚悟は出てきたものの、そんな心境だ。

 


しかしながらリストラを告知されたりした日には、ゴネていても確実にその日に近づいて行く。

リストラ後のことを考えずにゴネてゴネて時間を消費してしまってリストラ直後に路頭に迷うのは準備の無かった自分だ。

そういうことと同じことが起きないだろうか....

 


なので、どうせなら、積極的にその準備を始めてみようかと思えてきている。

いや、急転回は出来ないが、例えば...保有しているだけでも金のかかることだってあることだし...

やることも増えるんだから、そうあれもこれもと触っていられなくなるだろうし....

ならば、余分なモノを整理し始めるとか....

 


そもそもに....幾分かにでも身軽になった方が転回はしやすいだろうし....

かつての栄光に女々しくなることもない。

身軽になったればこそ見えてくる景色やヒントだってあるかもしれないし....

 


なんか断舎利のようだが....

そこまでには至らないだろう。

それこそこれまでしてこなかった人間性のくせして....それを標榜するのは断舎利の人やミニマリストさんに失礼だ。

ただ....

モノを増やす人生から減らす人生になって行くことは....案外心地良いものなのかもしれない。

全く体験していない分野なんだけど.....

 


正直これまでは過分にモノを増やしてきたと思う。

自分の収入や立場に不釣合いなほどに大きなモノを所有し持て余していたとも思う。

そうするがために、自分をスリ減らす人生でもあったように思う。

特にこの7年。

そんな見栄張りな生き方を見直す時期だともいうことか.....