小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

思わず一歩踏み出していた話

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学年最下位という貴重な称号を頂いた割には....ありえないほど幸運に生涯安定と言われるような職業につけられたんだが....

それをも案外簡単に放り出してしまったからには...どん底の生活になっていても仕方のないところ....

飄々と普通の生活(自分ではそう思っている)を送っているので、よほどの決断や見切りが良いかのように言われるんだが....

そんなことは”絶対に無い”。

本人の感覚としては、むしろ....決断の機会が過ぎてしまって....”流されるまま”....の結果なので、”それ”を情けなく思うぐらいだ。

 


最近は2世タレントとか、2世議員がよく話題になるのだけれども....

それも失礼ながら案外似たようなもんじゃないかと思ったりもする。

 


”才能DNA”を否定するつもりはないけれど....その”才能DNA”とて、環境が開花させることは多いんじゃないだろうか?

例えば....体操選手の子供であったりすれば....

親の仕事場についていったりして....

自然とマットの上で転がったりもするから、早々と才能DNAが芽生えて行く....というように。

なので、ピアニストの子供であったりしたらば....指を怪我してしまいそうな場所を、少なくとも子供のうちは遠ざけてしまうぐらいの”違い”があって...他の芽も育ちにくいと。

自然の純粋培養の畑が用意されている....ように。

 


生まれた時から2世としての覚悟を持ち、才能を自ら育てて行くというよりも、”あえて”ではなくともに、親だけでなく、その周囲もが、無意識のうちにも様々な蜘蛛の糸を垂らす様相となり、

本人が、大した決意を持つこともなく、気が付いたらけっこうステージが近くに来ているとか...ってな感じではないのだろうか?

 


自分には....そんな大それたステージはなかったけれど...”目標”を決めて、”覚悟”を決めて、今があるわけじゃない。

前にも書いたが元々まずは”目標”を持ったことがなかった。

いや、”運動が学校で一番に”とか、”誕生日が来たらすぐに免許を取る”....のようなどうでもいいようなくだらない目標は持ったことがあるが....

人生の分岐点になるような目標は持ったことがない。

というか....避けていたんじゃないかと思う。

真面目に考えたり、悩むのが嫌で。

 


見た目、明るく楽しい人生を送っては来たようなのだけれども....

実態はネガティブだったんじゃないだろうか?

決断を避けてきたということは。

 


そりゃあデートのコースを決めるような”決断”ぐらいは重ねてきたけれど....

それだってどっちかと言えば、ほぼ”的外れ”な決断ばかりだ。

それぐらい目利きが利かない。

いや、利くならば、今頃もっと成功している。

 


....の連続の結果が”今”なのかとは思っている。

つまり....大した”決断”をしてこなかった人生だ。

 


ただ....それでもどうにかなっている理由があるとするならば....

”思わぬ一歩を踏み出してしまう性質”のおかげかな?とは思う。

 


「清水の舞台から飛び降りる」ような決断なんかしない。

清水を借りるなら、あまりよくない表現だけれども....

ふら~っと、吸い込まれるように落ちてしまうってな感じか?

それでも何故だか三年坂あたりに着地していて....

「ま、ここも悪くないか....」のような人生な気がする。

 


三年坂に到達することだって、下から登ってくるならば、それなりに大変なんだろうけど....

別の場所から思わぬ方向に一歩踏み出したことで、違う環境に入ってしまう....というような....

 


”ふら~っと”の例もしょうもないものしか思い浮かばないんだが....

帰りの新幹線での読み物が無かったから手にした資格入門本だったり、立ち読みで見た赤本だったり、失恋を癒すために見た映画だったり、

....そんなことらから、大した決断でもなくふら~と一歩踏み出してしまったことが....

けっこう”転機”になっている。

 


少し歳を取り過ぎてはしまったけど....

その前兆はいつも”悶々”だったかもしれない。

なんだか上手く行かないことばかりで悶々としている時に、ふら~っと踏み出してしまう一歩から、気がついたら、別の場所に来ていたってな....

 


残念だけれども、自分の場合は、”悶々としているところから決断の末の脱出”ってな格好良い転機は無かったようだ。

ただ、ふら~っと踏み出してしまう一歩からの思わぬ展開はあったようなので、今後もそれぐらいは期待してもいいかな?と。

 


いう話。