小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

欲を失う

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我武者羅に頑張ってきた。

特にこの7年はそう言ってもいいと思う。

さらに直近の2年半にかけてはもう日曜日の夜が眠れないほどにプレッシャーやストレスに押しつぶされた。

簡単に言えば、仕事の状況が悪化の一途だからだ。

 


何をどう耐えようとしていたかなんて具体的な手法が思い出せえないほどに....

ともかく付け焼刃でも遮二無二でもいいからこらえてきた....というところ。

全くもってスマートからはほど遠い。

 


そこへの動機を格別には意識したことはなかったんだが....

やはり...子供を一人前にして社会に送り出す責任....みたいなところはあったと思う....

 


その”子供ら”はこの春この家から巣立つことになった。

親としては念願かない責任果たせたから喜ばしいはずなんだが....

それと同時に少し呆けてしまった自分が居る。

 


毒が抜けたというか....

欲が落ちたというか....

穏やかな心境ではあるものの....

少し....やる気がない。

 


順位がわからないほどに負けたマラソンだったけど.....

ともかく完走は出来た...の...かな?

と自分でもまだよくわかっていない状況にも似ているか?

 


若々しくしていようとしていたのも、モテたかったからというわけじゃない。

しょぼくれた姿勢を見せたくなかったからだ。

張り切っていたのだって、暗い家庭にしたくなかったからだ。

着ぐるみの下の親父は本当はそこまで強くも立派でもない親父だったんだ....

 


これでも....相当に無理しててた....んだろうね。

なんだか....

「もう....終わったよ。さあ、楽にしてももういいんだよ....」

とそそのかされていることに安堵するかのように

静かに.....

欲を...

失っている。