小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

下人

 

 


育った地元に「餅投げ」という風習があった。

祭りの催し物の一つで、神殿の二階から神主がバラ撒く餅を我先にと取り急ぐ行事だ。

 


幼い頃は必死になって取り合って...「○○個だったー」と得意になっていた。

 


まあ健気なもんだ。

 


が、それはこの国の統治の基本的な姿のように思えている。

 


たくさんの奉納金は餅代では済まないはずなのに....

が、「神のおかげ」と唱えられ...

背いたり、反論を抱くまでもなく、「足りない」とでも言おうものなら...

「神に逆らうのか?」「神を冒涜するのか?」と脅されて....

わが身の立場やわが身の収益よりも....

”敬う気持ち”こそが模範の国民の姿と教えられ.....

わずかな餅を...放り投げられて土のついた餅でさえ....

「有難きシアワセ」と頂くのが....

庶民...

いや、”下人”としての嗜みなのだ。

 


下人の味方を装うコウモリマスコミも昨日までは言っていたよな。

「心配です。次の台風でまたどうなるのか....」と涙流しながら....

一夜明けたら災害の心配なんてどこへやら....

「世界中から貴賓の集まる壮大な儀式です」...だと。

ワンピースの一幕か?

 


その光景を....

水の引かないドロ沼で、

ブルーシートの屋根からの光が刺す部屋で、

ゴルフ練習場の鉄柱が突き刺さったままの家で

 


しっかり目に焼き付ける

 


のが、下人としての嗜みなのか?

 


別に天皇制度を否定もしないし、国歌にも国旗にも異論はない。

旭日旗だって何とも思わない。

 


が、神風特攻隊とか人間魚雷回天とかの人命の尊重のかけらもないような作戦がどうして実行できたのか....

時代遅れの戦艦には国民を激貧にさせてまで莫大な国家予算をつぎ込んだのに....

その庶民には...「自分の命は”自分で作った竹槍”で守れ」と言えたのか.....

 


この国の仕組みは....

「何も変わっていない」ことぐらいには....

”下人”は気がつくべきだと思うけど。

下人の俺が言うのもなんだけど。

 


下人の命なんてそんな程度にしか思われていない。

ましてや”下人の生活”やら”下人の暮らし”は壮大な国家の催しの前には「どうでもいいこと」なのだ。

 


平等?公平?

何夢みたいなこと言っているんだ。

階級”ある”んだって。

どう見ても”ある”だろう。

”ある”けれども.....見事なほどに「パンとサーカス作戦」で踊らされているんだよな。

 


庶民?何その聞こえの良い階級。

そんなあいまいな階級なんてないよ。

「上の方」はご縁が無いので知らないけれど....

「上の方」の人からは....”下人”としか思われていないって。

選挙はよくわかるだろうに。

投票前は「国民の皆様」

当選後は「庶民目線で」

で、実際の行動は「下人扱い」だ。

 


ってか実際そうだったろ?

どっかの上級国民?のお爺さんにはねられた件

あれどうなった?

挽き殺した側と殺された側がもしも逆だったら「同じ裁定」になっているか?

 


下人なんて「死んでも仕方が無い」...だろ?

 


ま、反発もなにもしないよ。

どうせ俺なんてそんなもんだと思っているから(笑)

上級なんて縁もゆかりも届きもしない異次元の世界だと思っているから。

 

 

だから....

憧れもしなけりゃ尊敬もしないのは

自由だろ

とは思うだけ。

 


いや、誰も助けてくれない”下人”の分際なので....

人様のことどこじゃないのさ。

毎日必死で。