初めて訪れた東京は修学旅行だった。
宿泊地が東大近くの修学旅行専用宿だったのは覚えている。
下町というのか....学生寮とか下宿らしき建物が多く、古臭く、狭狭しく、窮屈で、うんと地方都市の方が洗練されているじゃないか?ぐらいに思った。
定番の皇居とか国会議事堂にも訪れたけど...
他の修学旅行生やら観光客がどこにもごったがえしていて...
そっちの方が気になって...あまり意味はわからなかった。
大人になってから訪れる東京は違った。
仕事があるから訪れるので、さながら参勤交代なんだが....
だからか?余計に「権力の強さ」を実感してしまう。
首都だから....
日本ではそこにしかないモノがある。
都だ。
人も集まれば賑わいも生まれる。
そこには憧れのモノや暮らしもある。
それを手に入れて見せびらかす者も居ればそのための競争もある。
それは....地方都市では有り得ないパワーを生んでいる。
江戸時代のことなんて知らない。
ただ....江戸時代からずっと首都だ。
400年も続いている。
パワーがさらなるパワーを生んでいると想像するのは正しいだろう。
ちょんまげの時代も文明開化の時代も戦争の時代もずっと首都だ。
統治の中心でありシンボルの江戸城は失くなった。
が.....
狭い、窮屈、タコ部屋、路上生活、カプセルホテル....なんてのが異常でもないとされる中....
あの皇居の人口密度の少なさは異常ではないのか?
国家のセキュリティはよくわかる。
が、永田町やら霞が関の道路の広さや空き様は異常ではないのか?
本当にこの国の国民は平等なのか?
”皇居”とか言う、曖昧な名称で、森の中にひっそりとたたずまれているし、”象徴”というこれまたわけのわからない名詞で表現するので、”実体”なんざ下人が知る由ももない。
でも....あの下人ひしめく東京の、ど真ん中に、東京ドーム何個分などと下品な比喩が出来ないほどの超広大な領域で生活をされているのだ。
で、その生活のために相当な人数と税金からの莫大な国家予算を消費しているのだ。
普通に考えれば....ただ者の仕業ではない。
天皇制度に反対ということではない。
きっと意味はあるのだ。
何かしらこの国が平和に存在して行くために必要だと、頭の良い人達が続けているのだろうから、アホな自分が異を唱えることはない。
が、天皇陛下ご自身にその意思があるのかないのかは関係なく、それにまつわる人々らが、天皇が平民ではないことをいいことに、まつわる人々までもが、「平民ではない」層を形成し、その層の維持を図るために....
平民を平民たる地位に押しとどめていこうとしていることが....
もはや平民には飽き足らず....
「下人の分際」
ぐらいに引き離しておかないと、な。
ぐらいになってきていると思う。
そういった領域での”中に居る人”は「選ばれし民」の意識になると思う。
そう...「選ばれし」
なので、簡単に仲間には入れないし、中の構造を明らかにすることもない。
拗ねているわけじゃない。
国の認定した教科書で「国民皆平等で公平」と教えてもらってきた。
が、「どこが平等なんだ?」という景色が山ほどある。
いや、うんと増えている。
田舎じゃ庄屋の息子も、小作人の息子も仲良くやるぐらいの平等にもなっていたりするんだが....
代々続く名士の末裔の政治家やら官僚には庶民は近づくことさえ許されない。
平等なのに。
権力の集中する首都東京では、「そういうことに」興味もなく、鈍感だったこんな自分でさえ嫌というほどよくわかる。
東京は嫌いじゃない。
手も足も出ない領域を見せつけられて....
下人としての覚悟が出来る。
自惚れも一切なくなる。
下人としての人生をどうまっとうすべきか。
そこから考えるべきだと思い知らされる。
安倍政権の良いところはそこだとも思う。
育ちの良い政治家と
育ちの良い官僚が
「お前らとは出所も位も違うんだよ。」
というところを見せ突けてくれている。
そして本来は”下人の地位”にある奴らも....餌に釣られて媚び諂うなら....
「仲間に入れてやるよ」と...
その成功者?も生み出している。
良いとか悪いとかを言っているんじゃない。
学校教育でも教えてきた民主主義?
とりあえず70年ぐらいは続いているはずなんだが....
どれだけ実現できている?
平等・公平って?
そりゃあ学校の先生も狂うだろう。
現実の世界には乖離し矛盾していることを”正義”として教えるのだから....
そりゃあ学校教育も崩壊するだろう。
自分は「特別偉くなりたい」なんて野望はないけれど....
崩壊したくはないので現実を受け入れなきゃと思うだけのこと。
下人は下人らしく
とはそういうことだ。