小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

腐ったミカンなんかじゃない

 

 

 

こういった「下人思想」は、今じゃあある種の自己崩壊の防波堤のようにもなっている。

 


そんな”自分”でも...

一時、上級の軍門に下ったことがある。

 


彼らの世界には彼らの世界なりの厳しさがある...と思った。

いやさ、自分から見るならば....”上級”ということだけで「もう十分」に思えるのに....

その中での”序列”がまた異様に重要である...らしい....

しかも、けっこうに、理不尽な序列だったりしても....

 


妙な言い方をするならば.....下人の階級の中での上下なんて周囲にはわからないほどの、”自己満足の差異”程度のものなんだが....

上級の世界には....「向こうが見えない」「見せてもらえない」....ぐらいの隔たりはあるらしい....

 


....そうじゃないと権力や組織というものは「守れない」と考えられているようだ。

 


ま、自分はそれに従順になれなかったし、当時は魅力も感じなかったので、スパっと辞めた(笑)

今をも後悔することなんざ一つもないんだが....

 


「世界が違った」ことは....皮肉なこと下人生活を長く続けてわかる。

 


が、もうどうしようもない。

下人の家庭に生まれたからには、せいぜい残されていた入り口は受験か全国大会ぐらいなもんだが....

大体において機会を逸してからそれがわかる。

 


下人には下人なりの苦労もあるんだが....

おそらく上級の社会の苦労には耐えられない。

そこが代々下人となってしまう家庭の所以だ。

 


ピラミッド構造ってやつはそういうもんだと思う。

頂点もしくは頂点近くの奴だけが、超いい思いを出来るだけで....

むしろ「そこに辿り着こう」と山に登ろうとしている途中の分際じゃあ浅野内匠頭の存在だ。

現代ならば...そりゃあ鬱にもなるってもんだろう。

 


上級の社会は東京にしかない。

金持ち=上級ではない。

権力の構造の中に居なければ金があっても上級ではない。

まあ正確には金があればどうにかなることも多いようだが....

そんな1億、2億といった半端な金じゃあ「仲間」としては認めてもらえない。

泉佐野の例をもって明らか。

 


でも....

こういうことがわかってくると

自分が下人であることがわかってくると....

案外「楽」なのだ。

 


蔑んでいるわけでもない。

拗ねているわけでもない。

馬鹿なところで焦らなくても良くなると言おうか....

余分なプライドは持たなくなるし、

下人は下人らしく....とでも言おうか、「身を結ぶ努力」に近くなる。

不幸にならなくても済むのなら、大志なんざ捨てりゃいい....

となる。

 


それは別に消極的な人生なんかじゃないし

向上心が無いこととも違う。

まさに分相応

実物大の人生

そういうことだ。

「それ以上」

を考えるのは、それが出来てからでも全然遅くない。

ただ...こうして生きていると....

「それ」さえ簡単じゃないことなんてすぐにわかる(笑)

 


上級の方々に比べたらば....なんだか消極的な目標のようだけれども....

それでも出来れば....

上級国民の下っぱの奴らぐらいは抜きたいと思っている。

上級国民の下っぱの奴らに一度ぐらい恥をかかせてやっても面白いぐらいは思っている。

上級国民の下っ端の奴らがひやひやするぐらいは追い詰めてみたいもんだと企んでいる。

 


どうせ下人なのだ。

今さらどう見られようが構わなくなっている。

 


でも、頑張れば頑張っただけのことはある。

それは下人でも同じ。

 


全然腐っていないと思っている。