小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

ファンタジー

 

 


今の世の中は金が優劣を決める規準だ。

 


こういうことを言うと、「世の中金だけじゃない」「大切なのはお金だけじゃない」という反論をすぐに持ちだす人がいる。

情緒で修飾した優しいお話をしているんじゃない。

甘い自分に”現実の世界”を言い聞かせている。

 


多分....道具や機械が無かった時代には....

”力”が規準だったと思う。

力のある者が力の無い者よりも好きに生きられたと思う。

 


そして次にやってきたのは....

”賢い”が規準になったと思う。

人間の力を超える道具を生み出せる奴が、生産性なり、収穫性なり、人を圧倒したと思う。

 


そして人間はさらなる知恵をつけ....

道具を超えた機械を登場させてゆく。

”武器”は機械の最たるものだ。

 


道具のように構造は単純ではないので、製造には設計から材料から製作から多くの人の知恵も力も作業も要する。

となればそれらの複雑な価値の交換を納得出来るものにしておく必要もある。

それは”金”ということになるんだろう。

 


資本主義はそうして発展したと思う。

何も民主的なものでもなく、平和な仕組みでもない。

 


金のある奴が、強固な武器を大量に保有し、威嚇に使い、バリアーに使い、攻撃に使う。

今のところは原子力がその先端のように言われているが....

光だったり、音波だったり、原子を超える恐ろしい武器を人間はどうせそのうち考案するだろう。

人を自分の思うがままに支配したい奴が居るので。

 


気の狂った戯言を言っているわけじゃない。

最近は色々と揉めているが....

ヨーロッパの片隅のあんな小さな島国が、どうして巨大な権益を作ることが出来たのか?歴史を振り返ればすぐにわかる。

 


人間社会を豊かにするために....福祉と健康のための....

んな訳がない。

 


世界最強の国家となるために....

科学技術を発達させるとともに、アホな後進国が追いつけないほどの高度な金融理論を発達させ....

資本主義

とか言っちゃって...

金が金を生み...「持ってる奴がさらに持ってる奴になる」

社会を構築した。

 


そして、その力で、巨大な中国さえも傘下に収め....

おびただしい国々に、イギリスのための金儲けの仕組みを定着させた。

 


アホな日本は勤皇の志士達とか言っちゃって英雄視しているけど....

あんな田舎の若造達だけで徳川家を転覆させられるはずがない。

 


狡猾なのだ。

中国には対中国に向いている....

インドには対インドに向いている...

そして日本には対日本に向いている....

そういう”やり方”で

イギリスに金が溜まる仕組みを敷いたんだと思う。

 


イギリスだけが資本主義を確立したのではないかもしれないけれども.....

最大限に利用し発展させたことは間違いないと思う。

そして世界の覇権を握った。

 


アメリカとイギリスの関係なんて今更言うまでもない。

ある意味同じ国だ。

東京本社か大阪本社かというようなもんだ。

都合の良い方に金が落ちる方を選んでいるだけなんだろう。

 


資本主義は極めて簡単で....

働かせて金を儲ける階層と

働いて金を稼ぐ階層になる。

 


いやいや働かせて金を儲けることも、頭脳労働だと言う奴もいるが....

それは屁理屈だ。

もう少し言うなら報酬の分配とでも言えばいいか....

金の算段で金を儲ける奴がどうしても必要になる。

が、その金儲けのために働く奴も必要だ。

だから

働かせて金を儲ける階層と

働いて金を稼ぐ階層

になる。

これは必然だ。

 


イギリスが労働者と働かない貴族階級に分かれているのは有名な話で

どこが民主主義だという有り様だ。

自由の象徴のアメリカの有名大学は、果たして公平平等な仕組みで入学出来るかな?

 


そのイギリスとアメリカが潤うように教育されてきた日本は

まだまだ遅れている。

まだまだ遅れているが、従順に「資本主義」を受け入れている。

 


だから

働かせて金を儲ける階層と

働いて金を稼ぐ階層

になる。のは当たり前なのだ。

そして金のある奴が強い世の中になるのも当たり前なのだ。

これでも....まだまだ入り口ぐらいなもんだ。

 


庶民が賞賛する芸能人もスポーツ選手も皆それがわかっている。

わかっていて目指してきた。

そしてアホな庶民は、一生、懸命に働いて、一生、懸命に、そいつらに貢ぐわけだ。

 


まあ、人の良いこと(笑)

 


自分は下人で下り坂。

ってことは

働いて金を稼ぐ階層の下の下ってこと。

それでもそんな自分のことなんて保護してくれるはずがないのが資本主義。

 


なら、自分のことは自分で守るしかないだろうと。

 


自分が金を持っていなくても.....

そんなことはお構いなしに

「金が優劣を決める規準」は少なくとも自分が死ぬまでは変わらない。

なら、そういう世の中だと覚悟すべきだ。

 


ちなみにこう考えていても....

何も哀しくないし、虚しくない。

むしろ、愛情の場所を、優しさの場所を、癒しの場所を、必死に探し求めているのに....

掴んでみたらば砂で作ったお城のようにもろくも崩れ去る....

そんな人生のがうんと辛い。

 


世の中の仕組みは虫ケラのような自分の心境なんか図ってくれるはずもない。

自分が合わせて行くしかない。

 


そういうことを甘い自分には...

常々言い聞かせないと....

ついついファンタジーなこと考えようとするんだから....

 


ほうら今日もお江戸でなんかやっていただろう?

万民平等であるはずのこの国なのに

俺のことはあんなに大袈裟に守ってくれない。

 


ま、こんなことは○○ガイ扱いされかねないので、現実社会で洩らさないんだけど(笑)