小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

ひっそりと

 


もうこれぐらいでいいかな?

下人が下人たる理由は。

 


お馬鹿で自惚れた若かりし頃は,社会は純粋で公平な競争社会だと信じていた。

だからある意味ノンビリもしていられた。

 


が、なんとなく取り返しのつかない格差を感じた頃からだろうか?

自分は"階段の上"ではなく、"階段の下"に居ることに気がついてきた。

しかも...

その段差は無いように見えて....実は相当高いんじゃないかという想像までついてきた。

 


その頃からだ。

尻に火がついたように努力を始めたのは。

まあ、努力と言ったって、普通の人がやってきたところをサボってきていたので、それを遅ればせながらやっている程度なんだけど...

 


そうしたならば....

友達の言っていたこと。

先輩の言っていたこと。

先生の言っていたこと。

が、「こういうことだったのか?」と....何度も思わされるようになってきたということ。

 


ちなみに...ここに「親の言うこと」が入らないのが我が家の底辺たる所以がある。

ま、それは今回はおいておいて....

 


最初の頃は「段の上」の人達がまぶしかったし、妬ましかった。

少しでも追いつこう。早く追いつこう。

と焦っていたと思う。

 


が20年も経ってみると....

景色も変われば自分も変わる。

 


4年前頃から自分の衰えが「さらに」になっていることは自覚している。

衰えやすい跳躍力なんかで言うならば...

最盛期には90cmが跳べていたとしても....

20年前には50cm?

今はもう20cm?

ぐらいに。

 


それぐらいにいくつもの能力は衰えている。

そりゃあ若かりし頃に頑張って「段の上」に辿り着いた人と同着になろうなんざ虫が良過ぎるというものだ。

 


諦めとは言いたくない。

負けじ魂じゃない。

もう少しポジティブな方向転換だ。

 


自分は「金の斧」ではなかったということ。

そういうところから「鉄の斧」というタイトルも付けたんだが....

それさえも違うかもしれない。

斧ともみなしていただけないほどの存在かもしれない。

 


でも....それが今のところの現実の自分だ。

そして今後はさらに衰えて...一体何なのか?さえわからない存在になって行くんだろう....

さらには....残された努力できる時間さえもどんどん減って行く....

 


なら。

「段の上」なんか見ておらずに....目の前に実際に見える光景の中で、頑張って、幸せを感じるようにすりゃいいんだろうと。

それで上出来じゃないかと...

 


誰にも気がつかれずに方向転換しているというわけ。