小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

逆上する

 


今になって思い出すと...

「蔑んだ目で見られること」

には猛烈に反発していた。

 


少し...尋常ではなかった気がする。

瞬間的に異様に興奮していたと思う。

まるで反射神経のように。

 


父親も母親も、そういや祖母も...

「蔑んだ目で見られること」に対しては.....そうだった。

よく状況を判断したり、2,3日考えてみればそうではない態度や言葉だったりしても....

その瞬間に異常にムキになった。

 


その理由なんか多分考えようとしなかったんだろうが....

一番身近な大人の反応がそうなのだから....

「許してはいけない侮辱」

だと骨身に沁み込ませたんだろう。

 


そして大人になり....

ずっと「下に見られること」には...

やっぱり瞬発的に異常に憎悪が沸く反応をしてきたと思う。

 


言葉はちょいと悪いが....

たしかにナメられたスタートじゃあ有利じゃない。

相手が「負けてるな」とビビってくれている方が与しやすい。

 


しかしながら.....

そんなに深く意味の無いことに....

イチイチ過大に反応するってのも....

 


しかも....こっちの勘違いだったりするならば....

なんというか....大事なチャンスもけっこう逃してきたんだろうし....

何よりも....

「キ○ガイじゃねえのか?コイツは」

と思われてきたことも多いんじゃないだろうか?

 


10年前のリーマンショックで体験したのは....

金の足りなさと心の弱さだ。

 


順調な時は大きな事を言ってるくせに....

ちょいと転ぶと顔面蒼白だ。

 


そんな自分を見てしまったし、知ってしまった。

 


その頃から身体だけでなく内面のコントロールや鍛錬にも興味を持つようになった。

10年経っても効果のほどは感じないけれども....

 


こうして.....

かつての自分の興奮はマズかったな....

ぐらいはわかるようになっている。