小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

愚民とも言う

 

 


仮に....”蔑んでみられても仕方のない現実”....であったとしても....別に逆上することじゃない。

というか....逆上したところで何も変わらない。

 


悔しかったならば...

いや、それが嫌だったならば....

勉強するなり、努力するなりして、自分を、環境を、全てを変える方向に熱くなった方がいい。

 


”逆上”で、自分が見られているイメージを一新させようというのが....

愚かなる下人たる証だ。

なるほど...愚民とも言うわけだ(笑)

 


こんな下人根性を叩き込んだ親達が伝えていた”出自”とて、どうにも怪しいもんだというのがわかってきた。

 


家系図もない癖に....

武家の出だとか名家からの血筋だとのたまっていたんだが....

手がかりになる品なんて何一つなく、しかも....住んでいる場所は城下町から一段落ちた河川敷のような場所。

 


現行の仕切りじゃあ一応「同じ地域」とみなされるんだろうけど....

昔から言う河原乞食の住まう場所。

 


住んでいる人の位が違うことは....

大きな区割りの中学校に進学した頃から気がつき始めた。

 


家柄というか、収入というか、地位というか....そういったものが明らかに違った。

そりゃあ平屋の長屋だらけの町内じゃあ少しばかりの商いでも名士を語れたかもしれないんだが....

家も店舗も長屋の続きなので....当然借家だ。

”借家の名士”なんて聞いたことがない(笑)

結婚して家を出るまでずっとそこで過ごした。

 

 

でも....家族どもは....「我が家は”他の家”とは違う。」と毎日のように吠えていたし....

正月の集まりはさながら「重役会議」の配列だった。

 


....笑えるわ....今は。そんなの。