小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

防止策

 

 

そんな頃からだ。

父親の素行には腹の立つことばかりなんだが....

怒る前に少し間を置くようになったのは。

 

自分にも...こういうところ”ある”んじゃないかな?....と。

 

大体の場合が...”ある”。

 

哀しいかな....それがDNAというものなんだろう。

いくら実の父親とはいえ、大嫌いで、全否定の人間性をシッカリ「受け継いでいる」わけだ。

なかなかに、こんな残念なこともない。

 

が、どうしようもない現実だ。

 

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」

という徳川家康の遺訓は大嫌いだった。

そんな重っ苦しい人生よりも、真夏のカリフォルニアのような爽やかな人生に憧れていたのに....

 

それが一挙に共感できるようになった。

きっと徳川家康でさえも

引き剥がせない運命を背負いつつ...生きていたんだろうと....

 

徳川家康でさえそうなんだから

自分如きじゃあ変えることも出来ず

ただただ我慢し、背負い続けること

って目に遭うことぐらいは....

普通

なんだろうと。

 

ならば、せめてもの手段として

父親を自分の役に立てる手段はないものかと....

 

あった。

それが反面教師にさせていただくことだった。

もちろん本人に承諾は得ていない。

いや、必要もないだろう。

こっちが黙って観察するだけのことだから。

 

悪いが....実に役に立っていると思う。

たしかに...と言ってもいいぐらいに。

 

いや、これは父親への非難ではなく

同じDNAからの自分の素行の防止策として。

 

なにしろ現実的なビジュアルを伴って確認出来るので、実にわかりやすい。

ドラマのようなものだ。

 

なるほどな。そうすると....こうなるのね。

なるほどね。そんなこと言うと....こういう目に遭うのね。

何十年と....繰り返しても....気が付かないんだよな....

「自分は間違っていない」と思っているからね。

 

間違っている方が....うまく行くこと多いのに....