小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

「先が見えれば」幸福なのか?

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実際に出勤してみてまずは驚いた。

というか...事前にその職業に興味が無さ過ぎたこと自体が問題なのだから...

自分が悪いのだけれども...

 

「即座に辞めようか」...ぐらいに嫌だった(笑)

 

そこで自分でもわかってしまった。

「職業」や「仕事の中身」に満足していたのではなく...

「公務員としての待遇や保障や安泰」に...

「あぐらをかけるかも?」

と満足していたことが...

 

さあ、両天秤だ。

「嫌さ」と「あぐら」の。

 

とりあえずはせっかく成れたんだし...「あぐら」が勝った。

なので「嫌さ」は我慢することにした。

 

「慣れる」。

人間は「慣れる」。

「慣れる」ことが「出来る」。

私も出来た(笑)。

 

が、「石の上にも三年」と言うように...本旨は違うと思うけど...

三年で変化は起こる。

また、辞めたくなった。

 

のを翻したのは...全く意外な理由で...

「尊敬できる上司に出会ってしまった」からだ。

 

そんなにも人間を頼る方でもないし、信頼する方でもないし、影響を受ける方でもないつもりなんだが...

その時は血迷ったかな?

 

結局三年間血迷った。

 

が、事は突然発覚した。

 

自分でもビックリした。

職場の、倉庫を片付けている時に...

 

「俺は一生この生活なのか?」

 

が登場した。

 

いや、倉庫の掃除が仕事のメインということではなかったんだが...

何故かその最中に「辞めたい魂」は登場した。

 

そしてそれは...

案外初出勤の時の感想に良く似ていた。

 

「俺、無理だわ、こういうの」

 

身勝手極まりない動機だ。

誰が悪いというものでもない。

嫌ならば、最初から試験も受けなきゃ良かったし、合格しても成らなきゃよかっただけのことで、

全て「選んで決定してきた自分」に責任はある。

 

それは認めるし、自分に非のある事。

だから「言い訳」なんて主張するつもりもないんだが...

本当なのか?正しいものなのか?わからない程度であるぐらいの...

「未来の自分の姿が想像出来てしまったこと」

にわけのわからない恐怖心を覚えてしまったのだ。

 

もともと...

何が嫌で、何が好きで...なんて基本的なことすら...考えもせず、わかっていない選択だった。

ある意味...「他にやりたいこと」...があるわけでもないから...

とりあえず「条件いいし、やってみよか」ぐらいなもんだった...

見栄えも悪くはないし。

 

だから...

こんなにも嫌になるもんだなんて....

6年前には予想もしていなかったのだ。

 

前の記事でも書いた。

学年最下位だった自分が、生涯安泰を手に入れられたというのに...

その生涯安泰の30年後が見えた途端に...

脳裏に浮かんだのは...

希望じゃなく...

絶望だった...なんて...「漫画?」ぐらいじゃないと想定出来ないストーリーだ。

 

ものすごく引き留めていただいた。

というか、「大丈夫か?」と心配された。

なので...

 

「なんかビョーキなのかな?俺?」

 

と一か月ばかり確かめさせていただいたけれども...

決心は揺るがないばかりか...

確固たる決心として固まる一方だったので...

 

「もうキリがないな」と結局辞めた。