小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

どっちでもいい

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そこから30年になる。

 

「微塵の後悔もない」

 

自分が”ゴール”としていたのは...

こう言い切れることが許される期間を全うすること。

それが...30年だった。

 

F1のように鮮やかに疾走してゆくゴールでもなければ...

箱根駅伝のように称賛の嵐の中のゴールでもなかった。

当たり前だが、誰にも気が付かれないひっそりとしたゴールだ。

 

おまけに...

「余裕ちゃん」にはほど遠く...

けっこうボロボロ、ズタズタになっての...

みっともない...ゴールだ(笑)

 

でも...自分は十分に満足している。

自分に課した約束を...守れたように思うので。

 


引き留めてくださった方々に「ザマーミロ」なんて思うわけもない。

本当に心配してくださっていたのだと思うから。

仮に...社交辞令にせよ...こんな自分をも引き留めていただいたのは有難いこと。

 

「公務員を目指し」「公務員人生を全うしよう」としている方々のアドバイスならば...

「辞めるのは不幸になる選択」

と言われることは十分に理解出来る。

 

が...だからと言って...

どちらが「正しく」、どちらが「間違っている」”選択”ではないと思うのだ。

 

というか...最下位だった自分でも...進路を意識してからは...

「失敗したくなかった」。

ゆえに...一応二択の場面なら...

「間違っていない」方を選んできたらば...「公務員」になっていた...のであって...

それからすれば...やっぱり「辞める」ということの方が「間違い」ということにはなるだろうと思う...

 

が、その選択には「何がやりたい」が抜けている。

逆でもいい。

「何はやりたくない」も抜けている。

 

自分の意志や興味や意欲とは無関係に...

「失敗したとは思われない」ような選択を連続させてきた結果の「公務員」だったのだ。

自分の場合は。

 

きれいごとを言うならば...

本当にその職種に憧れ、なりたくてなった人に失礼な選択だ。

 

そういえば...余談になるが...けっこう活躍した。

普通なら...「クビになるかも?」と怖気づくような事にズバズバと挑戦して行くので喝采も多く浴びたけど...

そんなものは当たり前。

「辞めてもいい」と思っているので、開き直っているのだ。

そんな立場なら誰でも出来る。

なのに...そんなことでもかなり勘違いし、自惚れたような気がする。

いや、自惚れていた。

 

だから...

公務員じゃなくても...

この選択方式で決めたことは...

やっぱり続かなかったと思う。

 

選択技術は確かに要領良かったのかもしれないけれども...

それまでの...

自分の生き方というか...ものの考え方というか...人生観が...

間違っているのだ。

 

真面目じゃないし、真摯じゃないし、懸命さのかけらもないし...

そもそもの謙虚さがない。

実際...小・中・高・大と...

ずっと教師に言われていた。

 

妙な意味だが...

「間違った判断」のもとに選択してきたことなので...

「続けられなくなった」のも至極当然のこと。

 

その時には、「とにかくもう辞めたくて辞めたくてどうにもならない感情の高ぶり」であって、そこまで考えての決断ではなかったんだけれども...

今は直にそう思える。

 

自分の場合は...辞めたことが正解で当たり前。

公務員を馬鹿にしているのではない。

逆。

たしかに試験に合格はし、手順もはずしていなかったのかもしれないけれども...

自分にはその職に就いている資格が無かったのだ。

これを証明し、自分に納得させるには...別の人生を30年全うしよう(しなければ)と決めていた。

それがこの30年。

そして...それによって...やり続けている公務員の方々が間違っているわけでもないことも証明されようかと....

 

ほらね。

やっぱり自分は公務員をやってちゃいけなかったんだ(笑)

そして皆さんは立派に最後まで勤め上げられた。

 

どっちが正しいとか間違っているとか...

そんなこと...

どっちでもいいことだ(笑)