小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

諸刃の剣

 

 

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そもそも...

「見える先」って何?

 

金持ちになること?

権力を握ること?

地位を得ること?

称賛されること?

 

ポジティブシンキングも結構なんだけれども...

例えば甲子園で優勝出来るのは一校だけ...でしかない。

と思っていたらば...まさかの...「選ばれたのに出られない」なんて結果が人生にはある...んだなんて誰も予想出来ないだろう。

「そういうことが人生にはある」

以上...未来計画は....かなり願望で好都合に脚色されたものじゃないのか?

 

それに比べたら、もっと確実に自分の人生に起こる様があるだろうに。

どんな人間であっても...一番確実に「見える先」は...「いつか死ぬ」だ。

親も、自分も、子供も、家族も、友人も、恋人も。

 

そして...「死んだら」...「全て」...無くなる。

所有も、思考も、希望も、意欲も、反省も、遺恨も...全て無くなる。

 

が、最も「基本」だと思っている。

 

この手の話をすると...

「夢も希望もない」と言う輩が居たりするんだが...

じゃあ人間には夢も希望もないんだと言うだけのこと。

 

自分はこう考えていても、少なくとも「夢も希望もない」とも思っちゃいない。

ただ...今のところ...男は大体80歳ぐらいで...

女は大体90歳ぐらいで...

「死ぬ」

ということは現実なので、それを超えての願望は...

自然の摂理に反すること

なので...達成の確率は低いし、達成出来ないことを願望にするなら...

あえての「挫折」を用意するようなものなので...

「死ぬまでの範囲」で出来ることで十分。

と考えている。

 

その上....

自分の場合は右を見ても、左を見ても、前も、後ろも、壁ばかり。

その一番手前の壁の向こうすら見えていない。

 

いや、幼い頃はそう言えばあんまり壁がわからなくって、なんだかずっと見通せていた気持ちにもなっていたけれども...

調子に乗って途中に出てくる川を飛び越えようとした時には...

いつも失敗して溺れてばかりいたような気もする(笑)

 

だから...「先が見える」ことが一体どういう状況なのか?どういった心境かわかっていないんだけれども...

大企業に就職出来たり、官僚になれた人が自殺してしまったりするのを聞くと...

「どこが挫折なの?」

と不思議でならない。

誰も挫折だなんて思っちゃいないことを自分で膨らませ過ぎている。

それが....「見えていた先?」の正体。

諸刃の剣だ。

 

広島の方の面白い夫妻も...

あの名を馳せた平家ですら「風の前の塵に同じ」だったのだから...

そんな無謀な作戦が...「自分ら如きに通用するはずがないじゃん。」

とは思わなかったんだろうか?

 

思わなかったんだろうねぇ...

 

「先が見える」ってそういうことだと思うんだけれども....

 

そこいらの蟻も、

そこいらの鳥も、

「いつか死ぬ」のを知らずに生きている阿呆ではないように思う。

「いつか死ぬ」って言うことがわかっているからこそ...

毎日必死で生きている。

 

そんで、いいんじゃねーの?

 

それ以上複雑に考えることを「高度」というならば...

やっぱり死んでしまえば「高度に」なんてものは...何一つ残らないのに。