小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

(9)分岐点

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「成りたい願望」と「現状の行動や思考」が乖離しているのが下人。

 

自分にとっちゃあ父親は、まさにその象徴。

服も脱ぎっぱなし...

どころじゃない。

扉も開けっ放しで、「閉める」とい動作を知らない。

もちろんご飯も食べっぱなし。

 

「時代がそうだから...」

ではない...

ドアの扉ぐらいは....普通は開けたら閉める。

冬なんて寒いので。

なのに...それさえも...”しない”のだ。

 

「どうして?」

なんて私にわかるはずがない。

まあ予想出来るのは...

扉の開閉が必要のない家に暮らしていたか...

誰かが閉めてくれる家だったんだろう。

 

恐らく...

両方なんだけれども...

 

また...そのあたりの「だらしなさ」を指摘されると...

まずは...直そうとするどころか...

面白くもないジョークで誤魔化そうとする。

 

もちろん誰も笑わないのだけれども...

そうなると急に不機嫌になり...やがて烈火のごとく怒り出す。

 

怒りだすと...その感情は止められず...「俺は仕事を一生懸命やっているんだ」と...

指摘とは全く関係のないところまで火の粉は散らばって....

挙句...家を飛び出して行ったりしてしまう...

 

何度も見てきた。

何なんだろうあの激情は...

 

馬鹿なのか...

原始人に極めて近いのか...

その”がさつさ”を...男らしい...とでも思っているのか...

 

そんな...”基本的”なことも出来ないクセして...

仕事は出来るはずもないのだが...

誰にも見られるものではないのをいいことに...

「相当にデキる人間である」ように”家族には”自慢してきた。

そして、それを認め、感謝しないと...

「お前らは誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」と....

やっぱり激情した。

 

確かに...「食わしてもらっていた」ので...

まあ、そうなった時は...黙るしかなかった。

 

小さな頃に流行った”ゴジラ”を真似てるんじゃないのか?とか思ったりもするぐらいにしょっちゅう吠えていた。

 

他人事じゃないのだ。

こうして冷静に振り返ってみれば...

そこまで酷くはないけれども...

自分(私)もそのDNAは持っている。

若かりし頃はしょっちゅう爆発していたし...

気が付いてからも抑えられない衝動にかられたことも何度もある。

DNAのせいにばかりしちゃいけないんだろうけど...

幼稚な人間性は「ちゃんと遺伝した」ということだ。

 


ここも自分の課題ゆえに...

「少しずつ」だけれども...年々と抑えられるようにはなっている。

 

それは「親父からのDNAを削ぎ落す」

という使命感とは違って...

そんなに感情的になっていては...「幸せ」や「成功」なんてあり得ないからだ。

 

「もう一歩」「あと一歩」どころじゃない。

事の入り口でカっとなって、それを収められずに...

どれだけの事柄を出足早々台無しにしてきたことか...

 

父親は「幼稚な人間性」なんて指摘されると...今でもすぐに激情する。

「低い評価」を感情を抑えて受け入れることが全く出来ない。

自分(私)は...「見抜かれている」と納得する。

ようにしている。

しなきゃいけないと言い聞かせている。

 

その”分岐点”で人生は大きく変わる

と思うようになったから。