小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

さらに遥かなるオーガスタ

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いまだ別にゴルフが嫌いというわけじゃない。

嫌いになる問題もない。

だからあの遥かなるオーガスタで松山が優勝した瞬間も、車を止めて見た。

 

もともとオーガスタは美しい。

優勝者が決まって夕暮れになって行く時間はは至宝の光景だと思っている。

ちなみに私、失礼ながら汚らしいコースを作って自然破壊するのは「反対派」の方なんだが...

その派でもオーガスタの建造には賛成してしまう...

そこによもやの日本人が居て、日本人のスタッフが居て...

「ありえない光景」を見ていたわけだ...

 

が、その時...

自分がゴルフを止めてしまった訳。

道具も全部残したままなのに再度始めようとしない訳。

が...なんだかわかったような気がした。

 

他のスポーツには他のスポーツの良さがある。

先発メンバーでは膠着してしまった0対0のスコアの最終回。

代打で出てきて一振りでサヨナラホームランなら、ヒーローどころか英雄だ。

 

サッカーでもある。

延長でもらったPKで1対0にするならやっぱりトップ画像になる。

時間や回数じゃない。

「ここぞのチャンスに大活躍する」というのも、運だろうし、実力でもあるんだろう。

 

が、ゴルフはそうじゃない。

華々しいイーグルを出したところであと全部ボギーなら予選すら通過しない。

よく言われることだが...

地味な50cmのワンパットも派手な300m飛ばすドライバーも「一打」は「一打」スコアは+1。

 

簡単に言ってしまえば、18回穴に入れるための打数が「少ない方が勝ち」というだけの地味なスポーツなのだ。

 

チーム戦になってしまうので単純な比較にはならないんだが...

ルールとしちゃあ駅伝に似ている気がする。

それぞれ「最短時間」「最小打数」で終えなら当然に優勝。

仮にどっかでミスってもトータルで「少ない時間」「少ない打数」ならば、そこが優勝。と。

 

が、そういった競技の辛さはサヨナラホームランとはまた違う。

基本的に...ずっと「一打もミス出来ない」構造。

駅伝だって...「一人位遅くてもどうにかなる」とは考えない。

 

他のスポーツだって「そんな部分はある」と言われるかもしれないけれども...まあそんなスポーツ談義は別の機会にして...

例えばピッチャーはわざとボールを投げる時もある。

サッカーだって、より勝ちを確実にするためへの「ボール回しの時間潰し」なんてのもあったりする。

 

が、どうだ。

ゴルフの試合は。

そんな余裕の一打はない。

林のから出すだけの一打とて、「最高の出し場所」を狙っている。

 

プロならば木曜から日曜まで4日間。

もちろん1日18ホールで。

少なくともその期間の1打は「全てミス出来ない」

 

伝わるのだ。

プロのツアー戦からは。

ましてやメジャー大会の中の...オーガスタなのだ。

 

いや、オーガスタではなくても...

そんな緊張感に包まれた中での「一打」なんて...

 

私にはあり得ない。

 

ナルシズム的に緊張状態を自ら高めりゃ似たような状況になる...

はずもない(笑)

本当に...追い込まれなければ起こりえない。

 

いくら憧れようとも、そこで起こっていること...

いや、そこで起こっていることと「似たようなこと」さえ...

少なくとも...ゴルフでは

私には体験出来ないのだろうと...

どこかで悟ったんだろう...

当たり前。

プロでもない自分のゴルフはどこまで一生懸命になったところで、休日のお遊び。

平日の仕事の方がうんと人生かかっている。

 

緊張感なんて回避したいことだらけのように思われたりもするけど...

その中でしか体験出来ない至宝の充実感は確実に存在する。