小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

俺はこんなに凄いんだ


 

 

正月は....

父親を見る機会に恵まれた...?

 

相変わらずだ。

いや、変わろうはずもない。

何一つ自分が”おかしい”などとは思っていないのだから....

 

通った扉は全て開けっ放し。

飲み物を飲みながら歩き回る。

家庭内スタバか。

食べ物を口に入れながらしゃべる。

口のまわりはもちろんのこと...おかげで食卓はベタベタだ。

 

歳を取ったからじゃない。

”以前と変わらぬ”光景なのだ。

 

これが”日常”

これを”普通の大人の男”

とした感覚で育ったことは忌々しい。

 

一人で住んでいるならいい....

同居人のことなんて....お構いなしの生き様なのだ。

 

これで...「良い香り」でも振りまいてくれているのなら話も別だが....

むしろ正反対なので、言うのもおぞましい....

 

反面教師としてきたつもりなので...

自分は「正反対」のつもりではいるんだが....

 

嫁には「だらしがない」とよく言われる。

 

随分と”見解”に相違があるもんだと思っていたが....

 

自分の基準が甘いんじゃないかと....

父親を改めて見て...

そう思った。

 

まあ、”外観程度”のことならいい...

 

連れていった孫達との会話とて....

話かけてはいるものの...

最終的には....

「おじいさんはねぇ...」

「おじいさんのときはねぇ....」

と、自分の話の披露につながる....

 

なので、途中ぐらいからはどんな話題でも...

その”おじいさん”しか話しておらず....

あとは聞き役に回ってしまう。

 

きっとこのようなことの”水準”も...

自分は狂っているかもしれない。

 

いや、かつては父親同様狂っていたと思う。

思い当たるフシは山ほどある。

「父親が嫌いだ」

というだけで、物事への判断基準が....

父親同様「全部自分都合」

なのだ。

 

簡単に言うならば....

自分の過大評価。

 

改める気がなければ....

死ぬまで改まらないんだな。

 

改めてそう思った。

 

気が付いたのは自分とて随分と遅い。

努力も実を結んでいないのかもしれない。

が、せめて子供達には伝染しないようにしたい。

 

もう間に合わないのかもしれないけれども。