小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

弱音

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そういえば...

「弱音は吐かない」ようにしている...ことも

”厳しい?”父親に”言い訳”同様厳しく禁止をしつけられてきたからだろう。

 

が、このブログを読んできていただいている方々にはおわかりだと思うんだが...

父親はそんな玉じゃない。

私の錯覚かもしれないけれども...

父親自身ができていないことを希望するタチなのだ。

 

なので...

もともと無理もあることなのだろうとは思うものの...

幼い頃の恐怖心から身に付いてしまっているものだと思う。

 

しかしながら「言い訳」と比べてもかなりハードルは高い。

成長するにつけ”壁”なんかしょっちゅう出てくるものなので、アニメの主人公のように毎回は乗り越えられないのだ。

 

「言い訳」は必要のないものでもあるように思うんだが...

その点「弱音」はついつい出てしまう「仕方のないもの」であるように思え...

決して悪くもなさそうなところに罠がある。

 

現に「言ったら楽になれるのに」

「吐いてしまって、また頑張ればいいのよ。その方が”人間らしい”わ。」

のような誘い文句は少なくない。

 

(そうかも...)と試しがてら吐いてみてきたことを...

振り返ってみたらどう?

結果...「ヨカッタ試し」なんてないんじゃなかろうか...

 

たしかに、吐いた瞬間は楽になったかもしれないのだけれども...

その記憶さえ一週間と覚えちゃいない。

むしろその後、かなり長い期間苦しむことになる。

吐いた”弱音”を握られて。

 

世の中、何よりも自分を優先してくれる人ばかりじゃないのだ。

優しいセリフにも

「見返り」や「打算」の無い方が珍しいぐらいなのだ。

 

優しく寄り添ってこられたのかと思いきや

弱みを握ろうと寄り添ってきたなんて話は...

全然珍しいものじゃない。

 

こともあろうに...というか...

さすがに女房なので、

「たまには弱音を吐いたっていいのよ。そこからまた頑張れば。」

の誘いに乗ったのはいつの日か...

 

たしか...

その前には「私だって力になりたい」

とかホザいていた。

 

俺は甘かった。

ツタンカーメンだとかチンギス・ハーンだとかが謎の死を遂げた理由もわかった気がした。

 

女房が悪人というわけではない。

まさに「人知れず」なのだ。

「人に知られないほどに慎重に積み上げてきた努力や意識」だからこそ、貴重な”力”を生み出す”源”に成り得るのであって...

つかの間にホっとしたかったためにカンタンに「弱音」を吐いてしまえるような”根性”じゃあ

瞬時に「全てを水の泡」にしてしまうのも当然の摂理、なのだ。

 

私が甘かった。

未熟だった。

世が世なら、毒殺され、後ろから刺されても文句の言えない振る舞いだったのだ。

 

そう言えば...

もともとに...「言い訳」も、「弱音」も...

所詮言ったところで「何の解決にも近づかない」。

 

もののあはれ

 

とはそういうものを言うんだろう。

 

その時から...

私は、「もう二度と悪の誘いに乗ることはない」と念じてきている。

 

それからは...弱音という”本音”を伝えないことの様々な”誤解”は頻繁に生じている。

が、それでいいのだ。

相手は自分でも気が付いていないだろうけど...

「弱音」を聞きたいわけじゃない。

「弱音」という「本音」を知り得ていない状態が「気持ち悪いだけ」なのだ。

 


まあいわば”答”を知りたがっているだけのような状態で...

その”答”をカンタンに出してしまうということは...

その”答”が「相手の望むこと」の場合なら良いんだけれども...

「”望んでいない答”が本心なんだ」とハッキリした時には...

 

「殺されるぞ」

 

ぐらいは覚悟して「吐く」ことなのだ。

 


少々大袈裟だけれども...

誘い文句に乗って「弱音を吐く」ことなんざ...

それぐらい自重した方がよかろうと...

自分には言い聞かせている。