小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

進退はワシが決める

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本当に毎週毎週出かけないことには気が済まなかった”趣味人生”に疑問符が付けられたのは、今から10年ほど前だろうか?

もう”生活習慣”と言えるぐらいになっていたので、予定は仲間からもアテにされていた。

いやさ自分の年間スケジュールさえ趣味が支配していたと言っても過言じゃない。

 


が....ちょいとした理由でそれが出来なくなった。

最初は悶々とした。

我慢できないかも?とかも思った。

しかしながらどうする事も出来ない状態でもあったし、人間上手に慣れてもいくものだ。

そうやって、趣味とも、趣味の仲間とも、距離が出来た。

人生初と言ってよいぐらいに。

 


その際にあえて趣味をどうのこうのと考えてみたわけではないが...趣味に出かけなくなった分、他の場所へ出かけ、他の人と知合い、他のことを考えるようになってみたらば....

自分が趣味に没頭していた分、「全然知らない事を増やしていたのか?」なんてことによくよく遭遇するようになった。

 


よくよく遭遇するので堆積もしていく。

で、久々に趣味の仲間に会ったりすると....これまた恐ろしいほどに何も変わらないというか....

ある意味竜宮城にでも居たかのような....

 


そのあたりから、元のサヤには戻れずに居る。

ハッキリとした論拠はないのだが....戻らない方がよい....ような気がして....

 


ずっとそういった宙ぶらりんな状態のままにしてある。

それで別段問題もないとは思うのだが....

なんせ山ほどの道具がいまだ現存しているし、それを毎日目のあたりにしていれば、離れない部分もあるのだろうし、ってことはそこで無駄な時間も使っているんじゃなかろうかとか.....

なら、人生の方向転換を考えるにあたって....もう一段距離を置いてみようかとか、まあ、考えているわけ。

 


そこに丁度良い人物が登場している。

彼にとってボクシングはもはや趣味ではないのだろうけど....

グローブをつけるわけでもないし、リングに上がるわけでもないのに、JAPANのジャージを誇らしげに着用し、威圧感を増すかのようなサングラスを探しだし、車に乗るというのに帽子をかぶり、それじゃかえってよく見えないんじゃないかと思われるような革の椅子に座りたがる.....

そして話しっぷりはもはや普通の社会人の口調ではないほどに装飾を加えている。

まさに趣味の頂点の極致を体現していらっしゃる。

テレビに映る彼を皆大笑いしているんだけど....

彼のような出立ちの人は案外多い。

というかあそこまでのアピールは控えていても、内面的にその趣味の範疇の指向に洗脳されている(カブれて冷静さを失っているとも言う)人は居る。

 


若い頃ビーチサンダルに短パンでディスコの入場をよく断られた。

行き過ぎた趣味へのこだわりは、部外者から見た時に、異常に変であり、時として迷惑ということだ。

ましてや私も結構な御年になってきた。

ただでさえ変。

 


特定の趣味との距離は....

あえて意識すべきなんだろうと

話題の会長を見ているとそう思う。

本人の思っている”自分”と周りから見た”ご自分”は同一のはずなのに、周りから見たらば全然格好良くないのだから。

 


自分の場合は違う....と、オレは言えない...な。

残念だけど。