小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

(8) ともかく地上に出ることから  

 

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こうやって自分を解剖してみると...

”大志”を想定出来なかったのは...

 

未来を考えた時に、

まずは脳裏に浮かぶのが...

「失敗はしたくない」

 

であって..

「成功」の想像までには届かない思考回路だったからだと思う。

 

いや、~だった~じゃない。

今もそうだ。

 

何処に向かっているのかなんてわからないし、知ろうともしない。

ともかく「落とし穴」にだけは落ちないように、”そこにだけ”は気をつけていて...

それでも何度か落っこちそうになったけど...

”その時だけ”は必死になることが出来て...

 

実に効率の悪い生き方なんだろうけど...

そんな人生だったと思うし、今後も変わらないと思う。

これが父親からのDNAと育った環境の複合技だからだ。

どうしようもない”気質”なのだから...

受け入れて...素直に生きるべき...だと思うようになっている。

 

いや、そうなってからの方が...

うんとスムーズに生きていられるような気がする。

繕う必要がないというか、恰好つけなくていいというか...

 

父親の内心はわからない。

が、表現型は勇敢で根性もあって努力家で、そのくせユーモアもあって尊敬され多くの信頼を得ている....

いや、得ていたい...としている。

が...”事実”と真逆なのだ。

 

その乖離の具合が...

恐らく彼を苦しめ...

信じられないほどの喜怒哀楽を見せるのだろう。

 

歳を取ったからじゃない。

私に記憶が芽生えた頃から...

何も変わっていない。

 

何処でそう考えるようになったのかは知らないけれども...

自分の理想とする虚像を実現出来ないもどかしさや悔しさで精神が破綻しているのだろう。

 

そのDNAは持つけど...

そうはなりたくない。

 

それが「破綻したくない」という習性を身に着けさせたんだと思う。

 

それでいい。

恐ろしいほどの失敗はしてきたけれども...

確かに破綻はしなかった。

今のところ家庭も破綻はさせていない。

仕事も破綻はさせていない。

それでいい。

 

ともかく普通の家族にすること。

 

そこに至っていないから下人だと言っている。

父親も下人ならば俺も下人。

それは事実なので仕方のないこと。

 

ただ...

自分の子供の代からは...

下人を受け継がず...普通の家族になって欲しい。

そうすれば...

三代もするなら...(自分から言うとひ孫か?)

 

きっと大志を抱けるようになる。