小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

(5)無意識の甘え

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子に対する...「寂しさからの無言の縋り付き」を

加藤諦三先生は...

「”甘え”を昇華させてこなかった親の特性」

と言っているのだろう。

 

「子が親に甘える」のが正常であるならば...

「親が子に甘える」のは...そりゃあ...気持ち悪いはずだ。

 

”それ”を気にするようになってからは...何度も”それ”を納得する場面に出くわしている。

 

というか...

自分の親の基本行動がそうだ。

普通は「子をかばうもの」だと思うのだが...(残念なことに体験がないので知らない)

そこを...「子供のせい」

にする...のだ。

 


”習慣”というものは恐ろしい。

毎日、毎日、がそうであると...

”普通”がそうだろ...になっていって...

違和感は抱かなくなる。

嗚呼...オレが悪いから...親は失敗したんだ...と。

 


ただ...”子供の失敗”...

を子供(私)のせいにしていただくのは仕方がないと受け入れられても...

親の失敗や祖母との関係や隣近所や仕事のことまで...

「子供のせい」

 

にされてしまうと...

あまりにもの飛び火に...

脳内の整理がつかなかったんだが...

 

「そうじゃなかった」ようだ。

単に親が...”自分の腹”に納められなかっただけのこと。

おまけに似たもの夫婦というのか...

母親も何かあると子供のせいにした。

 

人から”失敗した”と思われ、辱めをうけたくないので...

子供の失敗にして誤魔化したかったのだろう...

 

加藤先生おっしゃることには...

 

本来”甘えられること”を自分の親に対して燃焼してこれなかった人は...

自分に一番身近な...(ある意味親と同じ距離に居る)”子供”なら許されるのだろうと....

無意識のうちに「子供」に”甘えて”若年時に燃焼しきれなかった”甘え”を昇華させているのだとか...

 

なんだか...よくわかる。

よくわかるようになったから...

余計に気持ち悪い

のだ。

 

小さな頃はそうではなかったかもしれないけれども...

記憶に残るようになってからは...

親に相談なんてしたことがない。

人からビックリされて気が付いたぐらいで...自分でも「どうして?」と思っていたんだけれども...

そりゃあ「自分に甘えてくるヤツ」に相談なんてしないだろ、普通。

ということだけだった。

もう無意識のうちに「相談対象」にはならなかっただけのことだ。

 

そもそも昔から用件しか話さなかったぐらいなので...

相談...って...「一体何をすればいい?」ぐらいなもんだ。

 

そういや...

いろいろな集まりで、父親の弟や妹は私同様「失敗をなすりつけられる対象」だったと思い出す。

毎度の決めゼリフは...

「お前らのために俺は進学を断念して中学校から働いてきた」と。

 

それが事実であったとしても....

たまたまの年の順番でそうなってきただけなのに...

それを一生言われ続けられるなら...

妹や弟にとっては”いわれもない拷問”を兄貴と会った際に受けるようなものだ。

 

正月の集まりで、法事で、毎度のように....

「お前らのせいで自分は苦労してきた」話は繰り返された...

弟さんや妹さんは苦笑いして聞くだけだった。

 

でも本当は...

そんな兄貴の恰好のストレスのはけ口になっていたんじゃないだろうか?

そんなボロがバレないように...

「おまえらのせい....」

と一生脅し続ける必要があったのだろう。

 

そんなもの...

誰も参加しなくなるに決まっている。

 

父親の若かりし頃は知らないが...

親のなっての人生は見てきているつもりで...

勉強好き、努力好きにはほど遠い。

今でこそ遊びににも行けない体力になってしまっているけれども

家に居たことがないほど毎日遊んでいた。

 

そんなにも勉強が好きではないのだ。

ただ...学歴が少ないことのコンプレックスを弟や妹のせいにして...

言い訳しているんだろう。

 

なんだ。

昔からそうだったのか。

 

威張れる時だけ頂点に立ちたがり...

責任を負う時にはどこかに逃げてしまう。

 

昔からずっとそうだったわけだ。