小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

(4)寂しさからの無言の縋り付き

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間違っても「聖人君子」を目指しているわけじゃない。

そんな高尚な志はないし、資質もないことは謙遜ではなく確信している。

 

そもそも権利としては十分に公平に扱っていただいているとは思うが...

「人として」の質は...うんと下の下だと納得している。

父親を”悪口の対象”のように書いていることも、むしろ「第三者の目」で科学的に分析しているつもり。

自分も同様の類の人間だと。

 


ポンと卵から誕生し、親の顔を見ずに育った生物でさえ「似ている」のだ。

飲食を共にし、数々の言動や行動を見てくるなら....

それはもう”因果関係”なんて時点は超えて行く。

 

たまたまに...

日本のバブル期で、ぬくぬくと育ったから...

”失敗”や”足りないこと”に気が付かなかっただけのこと。

 

それが...

バブルがはじけ、世の中に余裕がなくなり...

厳しい査定をされるようになったらば...

あっちこっちで...

人生が...

うまく行かなくなった...だけのこと。

 

そして...ふと見たらば...あれだけ豪語していた父親が...

もっと通用しなくてみっともない言い訳ばかりで一日を終えていること...

 

結局...父親も、父親からのDNAを受け継いだ私も、弟も

そして近いDNAを持っていたかの父方の親類も、母方の親類も

バブルの崩壊後「まったくうまく行かなくなった」。

 

「バブルの崩壊」なんて大袈裟に言われるけど...

公務員なんてむしろバブルの崩壊後の方が相対的には浮かび上がって豊かな生活をしていらっしゃることを思うなら...

日本全体が沈んでいったわけでもない。

バブルの崩壊後に「うまく行くようになった人達」もたくさん居るのだ。

 

なのに...

ご自慢話を誇り合っていた井の中の”わが一族”は...「うまく行かなくなった」のだ。

 

そうなれば...原因が「外」にあるとは思えない。

普通に考えれば「内」ということぐらいは連想出来る。

 

そして...

”大嫌いで影響なんて受けてきたはずはない”自分までもが...うまく行かなくなっているのは...

自分もシッカリとその素養...つまりDNAを受けている証拠だろうと...

改めて思うようになったから。

 

コッチから縁を切りたいほどの親近者達だったんだが...

自ら命を絶った者、捕まった者なんてのまで出てきて...

おまけに母方の一族は当主が死んだら一家離散になって全員行方知らずになってしまったりで...

一挙に片付いてしまった。

そして実の弟も、何故にか必要があるのかというほどの遠方に、家族を捨てて別の女と住まいを移した。

 

父方母方併せて総数30名ほどの一族は...

あっという間に

我が家と親父家の4人になった。

わざわざ「距離を置く」という努力も必要としないうちに...

 

そして...これは青年の頃の記憶ともカブるんだが...

家を出て自活したいと企んでいた頃に...

一時期病弱な祖母と二人暮らしを強いられたことがある。

それと似ていた。

「一族を束ねる長」であることを誇らしげにしていた父親の周囲には私以外の一族が居なくなってしまっていて...

またもや離れづらい関係になっていると...

 

なんだろう...本心を隠して着飾ったセリフしか言わないので....

「寂しさからの無言の縋り付き」とでも言うのかな?

そんな作戦に見事にハマってしまっているようだ。

 

なんとも言えない粘着性というか、とても気持ちが悪いものを感じる。