小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

単なる錯覚

 

 

そう....

”父親”という名称を用いつつ....

「自分のこと」を書いているわけだ。

 

ここは自分でも未知の領域なんだけれども....

小さな頃から父親に嫌悪感を抱いていたことだって....

そこに....

「自分の醜悪さ」

を見るからであって....

 

まだ、そんなにややこしい内面的な探求の出来ない年齢であっても....

なんとなくの

「気持ち悪さ」

を感じたからかもしれない。

 

実際父親は幼い頃の私をよく罵倒した。

それとて....

逆に、私を見て....自分(父親)の内面が滲み出てしまっているような性質や行動が

逆上するほどの恥部のように思えて....

”自分で自分を殴り殺したくなるほど”....

だったのかもしれない...

 

なんとなくに....

わかる。

 

多分.....それがDNAってなもんなんだろう...

 

父親を反面教師とした年齢は早かったので....

「父親似」なんかである”はずがない”

と思っていた。

 

姑息で卑怯で小心者な父親に比べたら.....

随分と堂々としていて、努力家で、精神的にも強い人間を目指していたし....

おそらく....父親にもそう見えていて....

父親は私の前では....自分(父親)を恥ずかしがっている。

 

思春期の頃に立場が逆転し、ずっとそんな関係が続いていたので....

私自身もそう思い込んでいた....

 


が、それは大きな”錯覚”だった。

 

こうして、

ちゃんと、

考えてみると....

 

DNAは.....そんな簡単に書き換えられるものじゃないということは....

よーくわかる。