小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

愚か者

 


「...ん?...なんだかオカシイよな....」

と少し気がついてきたのが20年前だったと思う。

 


が、なんせ20年前なので、「何が」「どの程度」「どんな風に」オカシイのかは正確に覚えていない。

ただ....

「このままじゃいけない」

と、人生初めて思った気がする。

 


「何か」があったわけじゃないと思う。

ただ...少し体調は悪かったような気がする。

毎日スッキリしないと言うか...溌剌と出来ないというか....

 


だからなのか?

休日だけが楽しみであり、仲間と飲むことだけが楽しみだった....

 


でも、そんな毎日を....

案外楽しくやっていたと思う。

 


なので、別段「このまま」でも悪くはなかったはずなんだけれども....

急に第三者的な自分が現れて....

「お前、けっこう格好みっともないんだぞ」

とふいに指摘されたような感触か?

 


それまでも別段大したことはなかった。

自己採点で「まあまあ」の人生だった。

いや、「まあまあ」までは一応の努力をするけれども....

「まあまあ」がゴールであるかのように、それに到達したと実感するならば....

それ以上の努力はせず、趣味に余暇に友好に時間をたっぷり提供した。

楽しけりゃよかった。

 


練習、努力、勉強....とは無縁の生活だった。

「それで構わない」

と思っていた。

「生涯この生き方で良い」

と思っていた。

 

 

それがどうして変わったのか?今でも正確には思い出せない。

思い出せないということは、やっぱり大した原因は無いのかもしれない。

 


ただ、この時に現れた「もう一人の自分」は「本当の自分」の嘘や装飾を剥がしていった。

「まあまあ?何処が?全然出来てないし、全然わかっていないし、お前の何処がまあまあなの?」と.....

そして辛辣だったのは....

「お前、本当に”まあまあ”が望みなの?そこ一番誤魔化していない?」と....

 


ま、それがずっと続いているということだ。

 


20年前....

バブル崩壊が言われてから....10年後ぐらいになる。

「経済大国なんだからすぐに復活する」....の掛け声が信頼されなくなってきた頃だ。

いわゆる現実の日常に「復活しない日本」を感じるようになってきた頃なのかもしれない(はっきり覚えていない)。

 


そんな未来への不安もあって....

飲み友達との会話にも愚痴や不満が多くなっていたような気がする。

そして、実際の没落も始まった。

そんなことを10年も繰り返すなら....

 


のんびり屋の自分も流石に....

「”このまま”で、いいわけないんじゃないのか?」

ぐらいにはなる。

 


それがずっと続いている。

未だに「何のために?」「何を?」「どう?」

頑張ったらいいのか?

懸命に考えたらいいのか?

「どこに向かったらいいのか?」

さえわかっていないと思う。

 


ただ....

「このままじゃいけない」

と思うようにはなって、それは20年続いている。

 


歳も取ってしまい、随分しんどくなってきたので....

「下り坂」

とか言い訳してペースダウンを試みてはいるものの....

「このままじゃいけない」

という基本方針は変わっていないと思う。

だから手を変え品を変えもがいている。

毎日。

飽きもせず。

 


ただ、残念なことに、相当のアホなのか?書いても整理できないのか?

20年も経つと言うのに....

いまだに

何が?このままじゃいけなくて

どうすりゃいいのか?

どこに行きたいのか?

を具体的に説明出来ない。

 


だから....努力なんて言っちゃっているけど....

相当に非効率な自己満足のナンカ?をしているだけなんだろうし、堂々巡りにもなるんだろう。

 


ということで、アホだから...と、こうして”あえて書いてみることによって”整然とした思考の整理にも努めているつもりなんだけど....

それさえも....同じことを繰り返し書いているんだと思う。

きっと。

 


なかなか愚か者から脱却出来ない(笑)