小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

嫌な事実からの考察

 

 

親父はほぼDVだったんだが....

恐らく祖父もそうだった...という形跡がある。

まあ昔の人なんだし、父らにとってはそういったご主人様父親像、旦那像が「理想像」だったのかもしれない。

本人達は「豪快さ」を演出していたんだろうけど....

「小心者で臆病な自分」を見つけられたくなかったんだろう。

 

商売屋であったはずなのに...商品よりも遊び道具が溢れていた。

祖父は既に他界していたが、残されたものはやっぱり趣味の残骸のようなものばかり....

親父は「祖父は大変に苦労し、自分も苦労してきた」と常々言って聞かせていたんだが.....

そもそもに...代々の”遊び人気質”を内包していることには気が付いていない様子だった。

だから祖父ともども自らを「苦労人」「仕事に一生懸命」と言ってはばからなかった。

 

祖母は親父を「あんなにズルい男はいないから信用しちゃいけない」とよく言っていた。

当時は「自分の子なのに...」

と思っていたが、今はよくわかる。

 

あまりにもの女性問題でにっちもさっちも行かなくなって、教会に懺悔していた時期があるんだが...

その際に牧師さんからの宿題で日記を書いていたようで、落としたそれを見てしまったことがある。

 

ビックリした。

家族が被害者であるはずなのに....

「自由に遊べなくなってしまったのは家族のせいだ」ぐらいのことが書いてあった。

「家族のために自分のやりたいことを我慢しなきゃいけないのか?一生懸命働いているのに」...と。

頭がオカシイんじゃないか?...ぐらいは思った。

 

本当にこんな奴が親なのか?

と思ったのは当たり前なんだが....

日頃「言葉にして言っていること」のどこまでが本当のことなのか?

と思うようになった。

実際、今現在でも頻繁に嘘をつき、誤魔化しをする。

もう、そういった、習性でしかない生き物なんだろう。

 

女性関係とて、ハッキリ言って愛情ではない。

「快楽を邪魔されたくない」の一言だ。

自分の快楽を維持するためには....誤魔化せるものは誤魔化し、騙せるものなら騙し、嘘をつき通せるものなら嘘をつく....

家族だけに対してではなく、浮気の相手にさえも....

とにもかくにも自分を最大限に優先しなきゃ気が済まない生き様だったようだ。

 

人の話を聞くことよりも、自分をアピールすることばかり。

「勉強しなくたってここまで成れる」などと大して成ってもいない自分を頻繁に自慢していた。

さらに続く自慢は....仕事とは無関係の....金、遊び、趣味、道具、酒、ギャンブル....そんなことばかりで....

まあだから「勉強しなさい」なんて言ったことはなく....

いや、地道に努力をし、コツコツ勉強するような人たちを

ガリ便タイプじゃ大して成功しなわな」などと何の根拠があってなのか?よく小馬鹿にしていた。

 

商売をしているとはいえ....

河原長屋の借家で、土間に板を敷いたような居間で、蛇が出てくる井戸に蓋をして....の暮らしなのだから...

普通なら....いつかは自分の家が持ちたいとか、家族にもう少しマシな暮らしをさせたいと思うはずなんだろうが....

自分の快楽がすべてに優先する性格だったんだろう。

金、遊び、趣味、道具、酒、ギャンブル....で夕方5時にもなれば毎日のように飲みにいそいそと出かけてしまうそれは...

今ならわかるが

まともな仕事人じゃない。

 

こんな奴が連れてくる友人も同じ穴の貉。

ゆえに....自分は....これが「許される姿」だと見て育ち....

いや、むしろ、くそ真面目に働いて、他の楽しみを持とうとしないやろうとしない人を「気の毒だ」と小馬鹿にする生活を

「正しいもの」

と認識させらてきたと思う。

 

家柄とか気にすることはなかったけれども....

「まずい家柄」だったので、気にしないように育てられたとも言える。

「家を変えるには三代かかる」と聞いたりするが....その通りなんだろう。

 

バブル崩壊からは30年も経った....

歳を取ったというよりも、「遊ぶこと中心の一族」は見事なほどに衰退していった。

当たり前なんだけれども....

 

我が家?

もちろん落ちぶれて....

母方などは分裂し、消滅した。

 

法事をやっても親の家と自分の家の二家族。

兄弟さえも来ない。

 

よほどに嫌われているんだろう。

 

これが私の育った家庭だ。

私にその素質が遺伝していない、と考えることの方が危険だ。