もう記憶が曖昧なだけなのかもしれないけれども...
小学校の5年生頃までは”悩む”という行為もなかったように思うんだが...
多分、まあまあに順調だったのかもしれない。
が、父親は私が代表に選ばれたり、選手になったり、表彰されたりというのが何かと面白くないようで、「いい気になるなよ」と嫌みを浴びせることを常套としていた。
まだまだ幼稚な年頃なので、確かに「いい気になって」いたかもしれないんだが....
でも、本人はそこまで自惚れているつもりもなく...
むしろ...「いい気になるなよ」と言われれば....
いい気になってちゃいけないんだろうと素直には思っていたと思う。
褒められたいという感情は既に親には期待しなくなっていたけれども....
必要以上に戒めの言葉を浴びせられたり、調子に乗ってもいないのに...
「調子に乗るなよ」とげんこつでも浴びせられるものなら....
(何がそんなに面白くないんだろう?)
とはよく思った。
多分...本当に「面白くなかった」んだろう。
どうしてだかはわからないんだけれども....
彼は恐ろしく幼稚な人間性を内包していて...
ストレートな感情表現を通り超えて....
赤ん坊のようになることが昔からあった。
テレビドラマを見て感動して泣く。
のではなく、自分の思い通りにならなくて....
女房にも、母にも、子供に対してまでも...
泣いてまで....「私の言う通りにしなさい」と訴えてくるのだ。
そんな彼のこと...
私が育つまでは....少なくとも家族の中での話題の中心は家長である自分だったんだろう...
というかスネやすいので、周囲もそう気を使って引き立てていたんだろう。
ところが....
自分を超えて行く結果を出し始めた息子に彼はきっと不愉快なものを感じたんだろう。
家庭の中で年々増えていく私の話題が本当に邪魔に思えていたようなのだ....
数々の親戚との宴席が消滅したのも、きっと彼のそういった性質も原因の一つだと思う。
”誰か”の話題で盛り上がっていることが面白くないのだ。
話題の中心はいつも自分でなくては...
だから入ってくる入ってくる。
人の話題で盛り上がっている時は....「私の場合はねー」と。
それで火を消してしまうんだけれども....
どうしてそうなのかなんて同じDNAを持った自分でもわからない。
今でもそうなのだから....
ただ....想像するには...
考えられないほどの小心者の癖にプライドだけが高いのか?
相手にされなくなることに
異常に怯えているのかもしれない。
私には理解できないほどに。