小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

猛ダッシュで死というゴールに向かう様

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「偶然の一瞬の出来事」や「一時の猛烈な努力」で人生には「一挙挽回」があるものだと思っていた。

 

地震を経験し、同じ建物の中で100人中5人生き延びた経験のある父親は、それを自慢にし、モットーにもしていた。

大して出来が良かったわけでもないのに「生き残っただけで人生が成功した」と。

 

別に...成功なんてしていない。

他が死んで比べる人が居なくなっただけのことだ。

 

が、これを自慢の種としていたからまずかった。

たしかに...「勉強しろ」なんて言わなかった。

むしろ...

遊んでいる割には成績が悪くないことをホクソ笑んでいた。

 

それは子供(私)にも伝わる。

「この方が良いんだ」ぐらいには。

「イザという時にさえ頑張れば勝ち組で生き残れる」と。

 


残念ながら...

何十年も経ってみて...「それはあり得ないこと」

と思い知らされているのはこのブログでも頻繁に書いていること。

 

幸いなことに?

「成功は努力の積み重ねでしかないと降参した」自分から人生は転換したように思うのだが...

半信半疑で”後追い”の父親は「取り戻せない」後悔に顔が歪んでいる。

 

親子して...

何でもやること早かった。

「何でも早いね」

と称賛された。

 

が、それは「行動が早い」「動きが素早い」「動きにスピードがある」...のではなく...

ついつい...焦ってしまう...

ついつい...急いでしまう...

”性質”だったから...

 

「早く」「たくさん」手を付けているように見えて...

実は...何一つ...じっくり...とか、きちんと...とか取り組んで来たわけではないので...

中身スッカスカのハリボテをいくつもいくつもこしらえてきただけのようなもの。

どれも動きやしない(笑)

 

どうして急いでしまうのか?

どうして焦ってしまうのか?

いまだ解明できない部分もあるんだが...

 

それは...

妙に...動物や昆虫の「あはれな」行動にも見られる光景だよなと思うと...

やっぱり叡智に欠けるというか...

コツコツとした努力の集積の経験を経ていかないと...知力に劣る虫のような性質になってしまうのだろう。

芥川龍之介の教えにありそうな課題だ(笑)

 

「何で急いでいるんだ?」

「何を焦っているんだ?」

それを発見し、自問自答し、焦りの気持ちを鎮める為に...

ルーティーンをこなすことを「最低限の日常の努力」にしているのかもしれない。

 

そしてそれをブログに書いて...

もう一度検証している。

 

「お前はそんなにも焦って一体何処に向かおうとしているのか?」と。

ある意味...猛ダッシュで死というゴールに向かう様。

 

そう思うと...

やっぱり焦るって

いいことじゃないね。