小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

加藤諦三先生

 

 

何かの意図があって言いたかったわけでもないけれども...

”どうせ”親の悪口を言ったところで....

「生意気言うな」

「親不孝者が」

「誰のおかげで生きている」と...

自分の評価が落ちるだけになることは目に見えていたので...

言わないようにしていた。

 

”本当の”親子関係なんか知りもしないくせに....

「わかったような道徳観」を強要して正義の味方ぶりたいのだろう...

 

好きなように殴られて...いたけれども...

それでも、少し大きくなった時には....我慢出来ずに歯向かおうとしたりしたけれども....

なんと母親にまで....

「ともかく謝りなさい!」...って....

親と子

の立場ははっきりさせていても...

善悪

の区別もつかない家庭だったわけだ。

 

何にも俺は悪くないのに....ただただ親父の”機嫌”が悪いだけなのに....

 

....そんなことの繰り返しなので...「本音の主張」なんてとうに諦めていた。

諦めたまま大人になって....

流石に大人になってまで....「ボクのお父さんの育て方が悪かったんです」

なんてみっともない主張をあえてする必要もなかったし....

 

もう親の存在なんて影響しない年齢にもなってきたので....やんわりとフタが出来ていたんだが....

”結婚”

ということになって再び親はしゃしゃり出てきた。

 

”孫”の登場もそう。

そう。

日本の結婚は。

まさに家と家の問題。

自分はそう思っちゃいないが、親が勝手にそう思い込んでいて....

日本中の家族がそうなんだろうと決めつけていたので...

堂々と出てきやがった。

 

ってなわけで....

かなり遠くまで「切り離した」つもりだったのに...

再び「親の鬱陶しさ」にたびたび襲来されることになった。

 

まさに...

「これが運命なのか...」と落胆したものだ....

 

嫁にはあえて内緒にしたつもりもないが....

自然と何か気が付いたようで...直接不服を漏らすようなことはなかったけれども....

特に父親との距離は置いていた。

 

極力同席は避けるようにし、仕方のない時は....時間を短縮するよう努力しているかのように見えた。

今をもその努力?は続いている。

 

冷静に考えた時にはもう罪悪感などない。

どれだけ親の身勝手な行動に足を救われ、始末させられてきたことか。

それだけじゃない。

その都度に感情的に破綻した父親が弱い者に当たるところのどれだけ盾になってきたことか....

 

が、何なんだろう?

道徳?風習?

そんなもの気にするタイプではないはずなんだが....

嫌なほどにまとわりつかれている感情がある。

 

嫌味を言い、罵り、妬み、、殴り、なじるほどに”子”が鬱陶しい存在であるならば...

手放せばいいんだ。

なんならいっそ放り出せばいいものを....

どうしてまとわりついてくる。

 

長い間そこが一番の気持ちの悪い謎だったんだが....

加藤諦三先生は一発で答えを見せてくれた。