小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

目から鱗

 

 

そういう親は....子供に....「親を捨てることを罪悪と考え、苦しんで捨てられない」ような仕掛けを生れた時から延々と植え続けているので...

”子供は”親から離れることを罪悪のように感じる場合が多いそうだ。

 

その通り。

親が嫌いなのに...捨てきれない。

離れようとする自分に罪を感じる。

 

それは...愛情なんかじゃないということがわかっているから...余計に...「どこからの感情なんだ?」と気持ち悪さを感じる。

なんとなくの罪悪感と言うのか...

本心とは真逆にあるのに...

どこかの感情ががんじがらめにされて...

捨てられない...のだ。

 

加藤先生曰く...

それが「憎しみの”断ち切れない”連鎖」ということらしい...

 

「男は大志を抱かなきゃいかん」

と言いつつ...

家を出るような話になると急にあわてて....

「そんな簡単にはうまく行かない」とか

「もっと地道な人生の方が失敗がない」とか

直接「出ていかないで」...などとは言うはずもないが...

ともかく家を出て行かない方向にねじれた理屈で誘因した。

 

自分自身も....そんなにも強い欲求で

「家を出たい」

というわけでもなかったので...

なんだか気持ちの悪い話し合いになるぐらいなら....

まあ地元で考えようかな?

としてきて今がある。

 

本当に”子供のこと”を考えてアドバイスを送っていた...わけじゃあないだろう。

そうではなく...

見捨てられて離れてしまうなら...「甘え場所を失ってしまう」という無意識のうちにも湧き上がる赤ん坊のような恐怖感から...

執着したんじゃないだろうか?

 

だとするなら...

加藤先生の言うことの権化のような...

恐ろしいほどの甘えへの執着だ。

というか...加藤先生は専門家なので、そういった実例を山ほど見てきて...

本にしているんだろうけど...

 

弟は見捨てた。

というか...精神的にもうそんな「気持ち悪さ」に耐えられなかったのだろう。

で、遠く離れた。

 

なのに...

「あいつ一人では、頼りないから...」と何度も遠くまで出かけていった。

 

...それも愛情じゃない。

「心配しているから見捨てないでね」

なのだ。

 

弟は引っ越した。

大体の場所は聞いているが....

どうにも親には来て欲しくはないらしい。

 

こんな自分の育ったような環境を見通して、科学的に分析していた人が居ようとは...

加藤先生の書籍とは...

まさに目から鱗の出会いだった。