小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

孤独恐怖症

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いろいろな証拠を分析し、そこに推察を加えるなら...

”父親”はどうも...

「大旦那さん」として扱ってもらいたい...という願望があったようだ。

 

仕事も収入もないのに...待遇だけには執着があったと思う。

確かに...そんなにも事業に必要ないのに...丁稚を雇い、お手伝いまで一時は雇って、高級車にも乗っていた。

そのくせ...仕事はせずに、5時にはせかせか「皆さんよろしゅう」と飲みに出かける毎日だった。

 

父方の父も母も関西出身で、反物屋が舞台となるような上方演芸の設定に憧れがあったのだろうし、

実際に商売を始めて、そんな生き方を模倣していたのだろう。

いわゆる大旦那はそろばん片手に偉そうなことを言うだけで、まわりの者がよーく働くから食っていけるだけ。

実は自分じゃ何もやらないし、出来ない。

 

だから...

「孤独」を異常なほどに忌み嫌い、「悪いことだ」「罪でもある」ぐらいに教え込んだのだろう。

自分から離れ、それぞれが、独りで、勝手に生きて行くようになっては....

「おいてけぼり」

を喰らって困るから。

 

事実...そうなって行く過程を見て行く人生だったので...

途中からは自分は”逆に”「孤独」を肯定してゆくようになった。

 

が、”それまで”の人生経験の少ない頃はそうではなく...懸命な父親の叫びを聞き入れていた。

自分の過去の「大志が持てなかったこと」などは、大した後悔ではないが...孤独を「悪いこと」だとしていたことは「実にもったいないこと」だとは思う。

 

父親の怯えからのは「孤独悪人説」を信用し、孤独になることを避けに避けた。

家族を、友達を、ふるさとを、先祖を、父親を

「見捨てるようなヤツは」絶対に幸せにはなれないんだぞと。

だから大事にするんだと脅されてきた。

 

私学の中学受験を勧められた時も断った。

同級生たちと一緒の中学に通えなくなるので。

 

大学もそう。

京進出を勧められても断った。

地元の連れ経ちと遊べなくなるので。

 

が、今じゃ結局その仲間たちは誰もそばにいない。

同窓会で会う程度。

わがままであろうとも純粋に自分の進みたかった道に進めばよかったわけだ。

 

...まあ...「進みたかった道」とて、どうせわかっていなかったのでいいんだけど(笑)

 

でも...独りになってでも突き進む...道を選択してこなかったことには後悔がある。

だから...今は反転して...孤独になってしまおうともやるべきことはやる。としている。

 

でも、そうするようになっても...

別に父親が脅していたような「孤独」になんてならないこともわかってきた。

心配ないのだ。

ちゃんと真面目に選んだところには一旦孤独になっても、また別の人との出会いがあるので。

 

むしろ...人の新天地への旅立ちの足を引っ張ろうとする人の意見の方の気持ち悪いほど執着したネチこい粘りの方がかなりの問題がある。

 

なので...余計に...「気にしちゃいけない」ぐらいに...思っている。

 

ちなみに孤独恐怖症大旦那さん気取りの父親は、せっかく祖父や祖母や集めてくれた大家族や親戚関係にすら見捨てられ、今や法事を開いても出席するのは「私のみ」。

私にもどっかに「孤独恐怖症DNA」が浸み込んでいるのかもしれない。

 

寺田倉庫の経営改革者中野善壽さんも書いているらしい...

「孤独からはじめよう」

 

正直中身は読んでいないんだけれども...

ポジティブ孤独推奨派

であることは間違いないようだ。

 

こんな偉大な人と類似で光栄。