小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

集団の崩壊

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ソロキャンプが流行っているとは聞いていたけれども.....

事情の説明を聞いてみれば....

さらに心はそそのかされる。

 


....のは、”キャンプ”ではなく”ソロ”の方に

 


私も....「人間という生き物は”集団”で生活する本能がある」と催眠かけられてきた世代。

サザエさんを見せられ、寺内貫太郎一家を見せられ、飛び出せ青春を見せられ....

集団に帰属しなければ、周囲にいつも人が居なければ....

なんだか”はずれ者”のように思わされてきた世代だ。

人間としてどこか欠けている.....ように思わされてきた時代だ。

 


右向け右でうっかり左でも向いてしまおうなら....

瞬殺的に”集団あっち向いてホイ”に見事に引っかかった大バカ者扱いにされるだろうと察知してしまう方だ。

 


学校教育も.....「いつも、みんな、一緒で」だった。

「お前は....独りになっても人と違う道を行け」....とは、教えられたことはなかった。

 


そのような”教え”に社会の中で最初に矛盾を見せたのは核家族か?

むしろ”集団の基礎”とも思える家族から、集団理論は崩壊していったと思う。

いや、社会における”集団”のメリットとデメリットの配分が崩れ出したと見るべきだろう。

 


そして今や....夫婦別姓だの、事実婚だの、子供は作らない派だの....多種多様というよりも集団の形成とは言えなくなってきている。

良い悪いは別にして....

キャンプどころか実生活でどれだけの人が”ソロ”を強いられていることか....

 


それが....望み....であるならば良いのだろうけど....

いろいろな我慢の末の選択だとするならば.....

 

 

集団体制への勧誘力抜群だったスポーツも相変わらずの甲子園は人気だが....

組織への規律よりも個人の尊重のが優先されるようになったと思う。

そりゃあ人間の健全な育成を考えればそういうことなのかもしれないけれども....

「集団を強くする」という使命を受けた指導者は真っ逆さまの重心にさぞかしやりづらくなっているんじゃないだろうか?

 


集団大好きな日本であっても.....

残される牙城は企業ぐらいなもの....になっていると思っていた....

 


が、そんなところにトヨタ軍の総帥のお言葉

この集団に寄与しても....

「終身に面倒は見ない」

はついに王手を打ったと思う。

 


人間は集団ではなく

「独りで」

生きて行くものだ。

 


に、哲学は変わった。

 


集団が苦手な自分は....「ようやくわかっていただけるの?」

と、なんだか容認されそうな嬉しさと、昨今急速に許容され始めたLGBTにも似たような錯覚を覚えるんだが....

 


さてさて....その”独り”ってのは本当に幸せな状態なのか?

....とは、思う。

 


そして....こういうことは考えたところで、悩んだところで、どうにもならないことだ....

とも、思う。

 


それぐらい醒めていないとやって行けない。