小舟からⅡ

小舟から...鉄の斧...緊箍児...そして...小舟からⅡ

醜いアヒルの子

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昔、「浮浪雲」という漫画を知った時、猛烈に憧れたことがあった。

 

まさに泰然自若とした主人公の雲さんのように...

「自分も生きたい」

とよく思った。

「そういった人間になるように」

努力もした...つもり。

 

が、今はこのような自己分析やDNA探訪を繰り返して...

「自分がそれには”ほど遠く”なりえない」からこその

”願望”だったことがよくわかっている。

 

物語には青田先生という人物も出てくる。

内心雲さんに憧れを持ち、言動行動を真似てみたりもするが...

胆力に劣るようで...

ついついみっともない本性を現わしてしまう...

 

(雲さんにはなれなくても...

絶対にコチラのタイプだけには近づかないぞ。)

と...よく思ったものだ。

 

が、今にして思えば...それは...

「父親のような生き方はしない」

と同じで...

自分の素養に気が付いているからこその

 

「脱出願望」

 

だったんだろうと思う。

 

泰然自若にゃほど遠く...

卑怯で姑息な根性がこびりついていることを自覚するからこそ...

「そのようには見られたくない(知られたくない)」

の裏返しだったんだろう。

 

自分には...

”開き直って”生きていけるような度胸は今をも育っていない。

が、事実を隠蔽したり、捻じ曲げて見せたり、見ないフリしたところで...

願望には届かない。

ことは理解出来てきた。

 

いや、それはある意味「嘘で塗り替える」作業にも近いものだから...

続ければ続けるほどに...嘘を膨らませ...

結局何処に向かっているのか?

何のために努力をしているのか?

一体自分は何なのか?さえ...

わからなくもなってしまうだろうと...

 

父親はまさにその典型で...

自分のしてきた言動の、どれが嘘でどれが本当なのか、自分でもわからなくなってしまっている。

よく言われる...「一つの嘘を隠すためにまた嘘をつく」...

が、繰り返されれば...そりゃそうなるだろう。

 

残念だけれども...

自分には雲さんの素質はない。

むしろ...父親や青田先生の素質で充満しているはずだ。

 

そんな事実は嫌なものであろうと...認めるべきなのだ。

本当に直したいのなら。

「あること」は誤魔化さずに...例えわずかな1%ずつでも...

削りとれるように...努力するしか...

要素を減らす方法はないのだから...

 

多分...

一生かけても消せないのだろうけど...

 

自分が醜いアヒルの子であることを

知っているのと勘違いしているのとでは

判断に大きな誤差が生まれるに決まっている。

 

今から20年ほど前までは強がりという名目のもと

誤魔化す一方だったのだろうけど...

多少素直に認めるようになってから...

の特にこの2年ほど...かな?

事が幾分かスムーズに運ぶようになったのは

ただ単にの年の候だけではないと思っている。

 

ま、簡単に言ってしまうなら...

しがない醜いアヒルの子だけれども...「それじゃ悪いかな?」と堂々と生きている

ってことかな(笑)